2016年1月23日土曜日

変な鉄道車両No.1 ベルギー国鉄195

MARUMOが選ぶ古今東西の変な鉄道コレクション。栄えあるNo.1は、ベルギー国鉄195号機!









見てのとおり、この蒸気機関車はボイラーが3つもあるんです。なぜこんなかたちの機関車を作ったのかはよくわかりません。恐らく試作車だったのだと思われます。
また煙突も特徴的です。3つのボイラーから出る煙突を一本にまとめたためすごくインパクトのある太い煙突になりました。

この変わった蒸気機関車が生まれたのは1888年。ベルギー国内の工場でした。
総重量は88トン、ボイラーが3つもある割には足回りは一般的な2気筒です。
軸配置は1B1(2-4-2)。
ちなみに初期のころは写真とは別の形の煙突がついていたそうですが形はよくわかりません。

 
この機関車はベルギーのどこで、いつまで使われていたのかはよくわかりません。いくら探してもこの3枚ともう一枚の計4枚の写真しか見つからないところを見るとあまり長い間活躍した機体じゃなさそうです。
また、この機関車と同じタイプの機関車は今のところ確認していません。ボイラーを増やしてもあまり効果はなかったのだと思われます。
 
イタリアにはこの機関車と外見がちょっと似ている機関車があります。その機関車も今後紹介していくつもりです。

2016年1月14日木曜日

五日市線岩井支線跡探検

MARUMOの廃線跡探検シリーズ第一弾。
まあブログに挙げてないだけで実際は結構あちこち行ってるんですがね。

今回は東京都奥多摩、武蔵五日市駅に行ってきました。目的の廃線跡はもちろん岩井支線です。

先日1月9日に余った18切符を消化しがてら五日市線に乗り、五日市線武蔵五日市~武蔵岩井間、通称”岩井支線”の廃線跡を見に行きました。

武蔵五日市駅に到着。


まあこの駅前には特に用はないのでソッコーで岩井支線の分岐点へ
ちなみにこの駅前広場はもともと貨物操車場だった場所です。

このあたりが元分岐点のあたり。右上が五日市線の高架線
奥の山の土留板のラインが元線路のラインです。私有地のようなので近くによって見たりはしませんでしたがもしたしたら他の地点と同じようにレールを用いた土留板かもしれません。
 

どうやらこのあたりの山の裾ラインがそのまま線路跡のラインのようですね。


道路脇に石碑郡を発見。

れっかがはげしくて読めないものが多いですがどうやら馬頭観音と書いてあるよう。

















おそらく一番奥の上部がかけた石仏が馬頭観音なんでしょう

さて、本来の目的に戻りましょう

すこし上ったところに10mほどだけ鉄道柵が残っています。


この先線路跡は道から少し外れて老人ホームの真ん中を突っ切るように進みます。















老人ホームを抜けた後線路跡は再び道路に並走します。
線路跡にある盛り土。しかしこれは線路の物ではなく廃線後に盛られたもののようです。



大久野中学校を抜けた後ここで秋川街道から外れて小道に入っていきます。


ここの駐車場の下にも鉄道柵が残っています。この駐車場は線路跡の盛り土を拡張したものか?

ここが大久野駅跡


駅跡は現在、語らいとふれあい広場という公園になっています。
駅の範囲とこの公園は完全に一致しているわけではないですがおよそ同じものとみていいでしょう。

この先は舗装されていない道に入っていきます。

この道は線路とバラストを撤去しただけで殆どそのままのようですね。

ここの土留板は線路を再利用して作られています。
そのうち一本の銘をみると新日本製鉄で1980年10月に作られたものだそう。この区間の廃線は1971年なのでここにひかれていた線路を再利用ってわけではないようですね。

途中で左側に分岐するのが今でいう太平洋セメントの子会社、太平洋プレコンの日の出工場へ向かっていた貨物支線の跡です。

太平洋セメントは会社の統廃合が激しいのでこの貨物支線が現役だったころの工場の名前はよくわかりません。

で、こっちが本線。

武蔵岩井駅方面です。この先は現在林道の工事中で立ち入りはできません。

ということで大回りして駅跡の前に回り込みました。


ここが武蔵岩井駅跡。近年までは武蔵岩井駅のホームが残っていて工場の従業員用の自転車置き場になっていたらしいが工事によって跡形もなくなっていました。

岩井支線はここが終点でした。
最期にここまで車両が来たのは1971年今から45年前のことです。その長い年月の中で鉄道の名残は確実に減っていき、今では鉄道柵程度しか残っていません。
その鉄道柵もじきに見られなくなりそうです。

秋川街道に建っていた工事のお知らせです。これによると秋川街道は拡張されるそうなので道路沿いの鉄道柵は抜かれてしまうでしょう。岩井支線に興味ある方は早めに行ってみることをお勧めします。

2016年1月1日金曜日

ループ化された札幌市電

12月20日、ついに札幌市電の西4丁目ーすすきの間が開通して長年の市民の夢がかなえられた。
延伸区間は僅か400mほど、短い距離だがこれによって札幌市電は環状線になった。はたしてどういた効果があるのか?どういった問題が発生しているのか?

私は早速12月28日に札幌に赴いた。


札幌市電の既存区間をはじめとする全国の路面電車の殆どは道路の中央分離帯の部分に線路が敷設されている。しかし延伸区間は路肩の部分、歩道に接する形でせんろが敷設されている。この方式をサイドリザベーションと呼ぶ。特に札幌市電のように道路の両サイドに単線づつ線路を敷設することをダブルサイドリザベーションと呼ぶ。

一般的な中央分離帯部分に線路を敷設するセンターリザベーション方式の問題点は停留所がも道路の中央にあるため、利用する時に道路の横断をしないといけないことだ。サイドリザベーション方式の一番の利点は歩道から直接電車に乗れるため道路を横断する必要がないことだ。しかし、その反面路肩に車を寄せることができないためタクシーの乗り降り、荷物の積み下ろし、バス停の設置などに支障がでる。


さて、ここからは写真とともに現地レポートの形で見ていくとしよう。この時札幌は雪が降っていたため雪が映り込んで見づらい写真があるがご容赦願いたい

まず私が降り立ったのはすすきの電停。

すすきの電停は今回の延伸開業に合わせて位置が若干移動し、新しくきれいな駅舎(?)が作られた。
またこの駅には折り返し用の引き上げ線が外回り線と内回り線の間にせっちされている。
かつてこの駅が終点だったころは折り返すのに時間がかかっていたために駅の手前で電車が渋滞しているのがよく見られたが今後はそういったことが起きる心配はなさそうだ。


駅の資生館小学校方面にある引き上げ線。雪で埋まっているためわかりづらいが手前の緑色の柱が車止めなのでそこから位置がわかる。

すすきの電停を出てすぐのところの交差点。じつはここの交差点がダイヤ上の最大のネックになっている。


左がすすきの電停、奥が狸小路電停。赤い服の人は市電の係員で、開業後すぐなので混乱なきように交通整理をしていた。

内回り線はいいのだが外回り線は場合によってはかなり長時間の信号待ちを強いられる。新規開業区間の札幌駅前通りも既存路線区間の月寒通も交通量がかなり多いため両方が赤になるタイミングでしか走れない市電は長時間泊まっている必要があるのだ。実際わたしが見ていた時も3分ほど信号待ちしていた。

さて、ささきの電停から札幌駅前通りを狸小路電停方面に向かう。


新規開業区間には電熱線が埋め込まれているらしく線路だけ雪がない。歩道のすぐわきを走るので雪が降ったときにはまさかササラ電車で雪を歩道に吹き飛ばすわけにいかないだろうしどうするのかと思っていたがこれなら問題なさそう。

電熱線のおかげで雪がないため自慢のササラを回さずに通過するササラ電車:雪3。

少し歩くと狸小路電停に到着。すすきの電停と西4丁目電停のちょうど中間に新たに設置された狸小路電停はすすきのからわずか2ブロックしか離れていない。信号待ちなどのことを考えると歩いた方が早いくらいだ。


内回り線狸小路電停と新型低床車両ポラリス。新時代の札幌市電を象徴するツーショットだ。

狸小路電停はその名の通り札幌有数の繁華街である狸小路にある。上記のとおり札幌市電初の歩道から直接乗れるタイプの電停だ」。車道上にある他の電停と違ってスペースに余裕があるためあゆったりとした作りになっている。今回新たに設置された狸小路と移転した西4丁目、すすきのの3駅はホームへの段差がなくスロープになっておりバリアフリー化が進んでいる。


札幌市電で一番新しい駅と旧型の営業電車。新旧の邂逅である。

ここからあるくこと数分。西4丁目電停に到着。


西4丁目電停(内回り線)

西4丁目電停は外回り線と内回り戦で電停の位置が大きく異なる。
内回り線は写真のように新規開業区間の歩道沿いに新たに設置されたのに対し、外回り線は従来の中央分離帯の位置に取り残されるような形で設置されている。



西4丁目電停(外回り線)

ここでは外回り線と内回り線で位置が異なってわかりづらいためか駅名を描いた札を持った係員が案内をしていた。


西4丁目電停の交差点ですれちがう内回り線の市電(A1200型)と外回りの市電(3300型)。外回りの電車はかなり大回りしていることがよくわかる。

一通り歩いてみてみて。市電の電停に行くのに道を渡る必要がないのはやはり市民にとってかなり助かることだと思う。しかし路肩に車を寄せられないという欠点はかなり大きそうだ。このあたりは繁華街で店舗が多く、荷物の積み下ろしなども多いだろうに。また繁華街なら夜はタクシーを利用する人も多いだろう。しかしタクシーも歩道につけることができないのである。
個人的に一番気になるのは自転車だ。冬のこの時期の札幌で自転車に乗る人は皆無なので問題はないが暖かくなって自転車を利用する人が増えると自転車はどこを走るかの問題が出てくるだろう。本来自転車は路肩を走るべきだがここでは市電が走っているため路肩に入るわけにいかない。かといって線路と車道の隙間を走るのも難しそうだ。かといって歩道もそんなに広いわけではない。自転車をいかに安全に通行させるかが今後の課題となるだろう。