2016年3月21日月曜日

宇都宮LRT 各電停概要

 現在、栃木県宇都宮市ではLRTを新規に敷設する計画が持ち上がっている。
 JR宇都宮線と直角に、東西方向にLRTを伸ばす計画で、西は東武宇都宮を抜けて陽西町まで、東は鬼怒川を超えてテクノポリスセンターまでの全線約15kmを結ぶ計画で総事業費は383億円の予定だ
 宇都宮市はこのうち宇都宮駅より東側を優先整備区画として先に建設する。理由としては宇都宮駅東西を結ぶ区間の建設に時間がかかることや西側はバス網が発達しており優先度が低いことだ予想される。まずは東側の優先整備区間を宇都宮駅から順に見ていくとしよう。


 東側の優先整備区間には15の電停が設置される予定だ。ここから先、文中で触れる電停名は全て仮称であり確定しているものではないので注意していただきたい。

 JR宇都宮駅東口電停
 ここは既にイベント広場としてスペースが確保されている。JR駅の東西を繋ぐ線路はここより北側に作る予定なので必然的に北側に折れ曲がったところに電停ができる予定だ。大通りから侵入してくる部分のカーブはR=50の予定で優先整備区間で二番目の急カーブになる予定だ。
 電停へのアクセスは現行の連絡通路を延長するものと思われる。

 JR宇都宮駅東口電停を出てすぐに併用軌道となる。ここの電停入り口の信号の処理がどうするかが腕の見せ所だ。この先、鬼怒通りは現在は片側3車線な所を中央分離帯部に軌道を敷設して片側2車線となる。電停があるところは片側一車線になってしまうがこれは交差点直後の部分に電停を設置することにより影響を最低限にする予定だ。

 宿郷町電停
 大通りを一本わたってすぐに設置される予定なのが宿郷町電停だ。東口側の繁華街の最寄で買い物客などはこちらの電停を利用すると思われる。ただし宇都宮駅周辺全体に言えることだが、商業施設の量も質もあまりよくないのが気になる。商業施設の誘致に力を入れないと郊外の大型ショッピングモールに対抗するのは難しそうだ。

 東宿郷電停
 この駅は宇都宮駅東側の繁華街の終わりにあたる場所に設置される予定だ。繁華街といってもこのあたりまで来るとガラガラの駐車場が目立つ。これらをどこまで商業施設にできるかが焦点となる。

 この先国道4号線(旧道)をオーバーハングする陸橋をわたる。資料によると橋梁の補強で強度は足りるそうなので架け替えの必要はない様だ。

 今泉町電停
 陸橋を渡ってすぐの場所に設置される予定の電停だ。ここから先国道4号線(新道)までの区間は東進2車線、西進1車線という変則的な車道の配置となる。これは国道4号線(旧道)から合流して東のテクノポリスセンター方面へ向かう重要が多いための処置だ。
 この電停から周辺は住宅街となり、電停間も広くなる。もう少し細かく電停を設置してもいいとおもうが。

 陽東電停
 引き続き住宅街だが産業道路が近いため商業施設も多少みられる。

 ベルモール前電停
 現状、沿線で最大の商業施設がこの電停にあるベルモールだ。イトーヨーカ堂を中心に多数の商業施設が入っている上に映画館まで併設されている。ただし駅予定地からベルモールは若干離れているため間の歩道に屋根を付けるなどの処置は必須だろう。
しかし、この手の大型ショッピングモールは大きな買い物をすることが多いのでどうしても自家用車に分がある。なので休日のショッピング需要ではなく平日の主婦層のちょっとした買い物需要がメインになるだろう。

 平出町電停
 ここまでくると周辺は畑になる。この駅から先の区間は計画が一度変更されている。ここでは最新の計画を元にして、変更前の経路については後で述べることとする。この電停からは道路を離れて専用軌道となる。

 国道4号線(新道)をアンダークロスした後すぐに平石中央小学校のすぐ北側を通ることとなる。これについて騒音や振動による授業環境の悪化、子供との事故の危険性から反対する声も出てきている。

 下平出電停
 平石中央小学校の北側にできる予定だ。周辺は畑の中に住宅が点在している状態で、需要はあまり見込めないだろう。

 この先、鬼怒川をわたるのには新たに橋を建設する予定だ。計画だと鉄道専用橋だが歩行者、自転車も通れるようにするのが望ましいだろう。需要はあまり多くは見込めないが周辺の住民の理解を得るためにはこういった処置も有効だろう。

下竹下電停
 橋を渡り切った先、国道との交差部付近に作られる予定の電停だ。この電停の周りは民家は少なく、需要もほとんどないと思われる。開業を機に宅地開発が進むかどうかが焦点だ。

作新学園北電停
 この電停が専用軌道最後の電停だ。この電停の周辺には電停名の作新学園大学の他に市立高校もあるため通学需要が見込まれる。現在作新学園は宇都宮駅からスクールバスを運転しているが、はたしてLRT開業時にこれをどうするかによってこの電停の需要が大きく変わってくる。

 清原管理センター電停
 この電停から清原工業団地となる。周辺には栃木住友電工㈱やデュポン㈱、中外製菓工業㈱などの工場があり、通勤需要が見込まれる。ただし、本格的に通勤に使われるのは西側開業後になるだろう。これらの工場も通勤用の専用バスを保有しているところも多い。これらのバスが開業後は廃止になるのか否かによってLRTの成功を左右するだろう。

 清原工業団地北電停
 この電停の周辺は殆どキャノンの宇都宮工場だ。キャノン宇都宮工場は清原工業団地で最大の工場であり、ここでの通勤需要が宇都宮LRTの成功を左右するといっても過言ではない。この付近の道は太く、余裕があるのでLRTの導入空間にはあまり困らないと思われる。

 清原工業団地北電停から次のテクノポリス西電停までの間は広く空いている。この間にも工場がいくつかあるのでそれらの向上のためにもう一つ駅を設けてもよいのではないだろうか。

 テクノポリス西電停
 テクノポリス地区の入り口にあたる電停だ。周辺には分譲前とみられる土地が多数みられるのでLRT開業後の発展に期待できる。この電停から先は再び交通量が多い幹線道路になるので渋滞対策が必要となる

 テクノポリス中央電停
 テクノポリス地区のほぼ中央、ヤマダ電機など商業施設が少し集まっている場所だ。

 テクノポリス東電停
 このテクノポリス地区の三電停はいずれも高度技術集積都市計画の一部となってこう通の便の悪さをカバーするためのものだ。また、この電停が優先整備区間の終点であり、パーク&ライド駐車場設置予定だ。

 以上が優先整備区間の各電停の概要である。

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