現在、栃木県宇都宮市ではLRTを新規に敷設する計画が持ち上がっている。
JR宇都宮線と直角に、東西方向にLRTを伸ばす計画で、西は東武宇都宮を抜けて陽西町まで、東は鬼怒川を超えてテクノポリスセンターまでの全線約15kmを結ぶ計画で総事業費は383億円の予定だ
宇都宮市はこのうち宇都宮駅より東側を優先整備区画として先に建設する。理由としては宇都宮駅東西を結ぶ区間の建設に時間がかかることや西側はバス網が発達しており優先度が低いことだ予想される。まずは東側の優先整備区間を宇都宮駅から順に見ていくとしよう。
東側の優先整備区間には15の電停が設置される予定だ。ここから先、文中で触れる電停名は全て仮称であり確定しているものではないので注意していただきたい。
JR宇都宮駅東口電停
ここは既にイベント広場としてスペースが確保されている。JR駅の東西を繋ぐ線路はここより北側に作る予定なので必然的に北側に折れ曲がったところに電停ができる予定だ。大通りから侵入してくる部分のカーブはR=50の予定で優先整備区間で二番目の急カーブになる予定だ。
電停へのアクセスは現行の連絡通路を延長するものと思われる。
JR宇都宮駅東口電停を出てすぐに併用軌道となる。ここの電停入り口の信号の処理がどうするかが腕の見せ所だ。この先、鬼怒通りは現在は片側3車線な所を中央分離帯部に軌道を敷設して片側2車線となる。電停があるところは片側一車線になってしまうがこれは交差点直後の部分に電停を設置することにより影響を最低限にする予定だ。
宿郷町電停
大通りを一本わたってすぐに設置される予定なのが宿郷町電停だ。東口側の繁華街の最寄で買い物客などはこちらの電停を利用すると思われる。ただし宇都宮駅周辺全体に言えることだが、商業施設の量も質もあまりよくないのが気になる。商業施設の誘致に力を入れないと郊外の大型ショッピングモールに対抗するのは難しそうだ。
東宿郷電停
この駅は宇都宮駅東側の繁華街の終わりにあたる場所に設置される予定だ。繁華街といってもこのあたりまで来るとガラガラの駐車場が目立つ。これらをどこまで商業施設にできるかが焦点となる。
この先国道4号線(旧道)をオーバーハングする陸橋をわたる。資料によると橋梁の補強で強度は足りるそうなので架け替えの必要はない様だ。
今泉町電停
陸橋を渡ってすぐの場所に設置される予定の電停だ。ここから先国道4号線(新道)までの区間は東進2車線、西進1車線という変則的な車道の配置となる。これは国道4号線(旧道)から合流して東のテクノポリスセンター方面へ向かう重要が多いための処置だ。
この電停から周辺は住宅街となり、電停間も広くなる。もう少し細かく電停を設置してもいいとおもうが。
陽東電停
引き続き住宅街だが産業道路が近いため商業施設も多少みられる。
ベルモール前電停
現状、沿線で最大の商業施設がこの電停にあるベルモールだ。イトーヨーカ堂を中心に多数の商業施設が入っている上に映画館まで併設されている。ただし駅予定地からベルモールは若干離れているため間の歩道に屋根を付けるなどの処置は必須だろう。
しかし、この手の大型ショッピングモールは大きな買い物をすることが多いのでどうしても自家用車に分がある。なので休日のショッピング需要ではなく平日の主婦層のちょっとした買い物需要がメインになるだろう。
平出町電停
ここまでくると周辺は畑になる。この駅から先の区間は計画が一度変更されている。ここでは最新の計画を元にして、変更前の経路については後で述べることとする。この電停からは道路を離れて専用軌道となる。
国道4号線(新道)をアンダークロスした後すぐに平石中央小学校のすぐ北側を通ることとなる。これについて騒音や振動による授業環境の悪化、子供との事故の危険性から反対する声も出てきている。
下平出電停
平石中央小学校の北側にできる予定だ。周辺は畑の中に住宅が点在している状態で、需要はあまり見込めないだろう。
この先、鬼怒川をわたるのには新たに橋を建設する予定だ。計画だと鉄道専用橋だが歩行者、自転車も通れるようにするのが望ましいだろう。需要はあまり多くは見込めないが周辺の住民の理解を得るためにはこういった処置も有効だろう。
下竹下電停
橋を渡り切った先、国道との交差部付近に作られる予定の電停だ。この電停の周りは民家は少なく、需要もほとんどないと思われる。開業を機に宅地開発が進むかどうかが焦点だ。
作新学園北電停
この電停が専用軌道最後の電停だ。この電停の周辺には電停名の作新学園大学の他に市立高校もあるため通学需要が見込まれる。現在作新学園は宇都宮駅からスクールバスを運転しているが、はたしてLRT開業時にこれをどうするかによってこの電停の需要が大きく変わってくる。
清原管理センター電停
この電停から清原工業団地となる。周辺には栃木住友電工㈱やデュポン㈱、中外製菓工業㈱などの工場があり、通勤需要が見込まれる。ただし、本格的に通勤に使われるのは西側開業後になるだろう。これらの工場も通勤用の専用バスを保有しているところも多い。これらのバスが開業後は廃止になるのか否かによってLRTの成功を左右するだろう。
清原工業団地北電停
この電停の周辺は殆どキャノンの宇都宮工場だ。キャノン宇都宮工場は清原工業団地で最大の工場であり、ここでの通勤需要が宇都宮LRTの成功を左右するといっても過言ではない。この付近の道は太く、余裕があるのでLRTの導入空間にはあまり困らないと思われる。
清原工業団地北電停から次のテクノポリス西電停までの間は広く空いている。この間にも工場がいくつかあるのでそれらの向上のためにもう一つ駅を設けてもよいのではないだろうか。
テクノポリス西電停
テクノポリス地区の入り口にあたる電停だ。周辺には分譲前とみられる土地が多数みられるのでLRT開業後の発展に期待できる。この電停から先は再び交通量が多い幹線道路になるので渋滞対策が必要となる
テクノポリス中央電停
テクノポリス地区のほぼ中央、ヤマダ電機など商業施設が少し集まっている場所だ。
テクノポリス東電停
このテクノポリス地区の三電停はいずれも高度技術集積都市計画の一部となってこう通の便の悪さをカバーするためのものだ。また、この電停が優先整備区間の終点であり、パーク&ライド駐車場設置予定だ。
以上が優先整備区間の各電停の概要である。
2016年3月21日月曜日
2016年3月3日木曜日
宇都宮LRT計画の展望と所感
現在、栃木県宇都宮市ではLRTを新規に敷設する計画が持ち上がっている。
LRTとはLight Rail Transitの略で、超低床車両等新しい基軸を持った次世代の路面電車システムを指す言葉でヨーロッパをはじめとして世界各地で開業が相次いでいる市内交通システムだ。日本国内でも札幌や広島などで運行されているがどれも過渡期的な不完全なもので本当の意味でLRTといえるようなものは富山ライトレールのみである。そしてその富山ライトレールも既存路線の改良によってLRT化したものだ。即ち宇都宮市は日本で初めてLRTを完全に一から作ろうとしているのだ。
LRTの利点としては以下のものが挙げられる。
LRTで運行される車両はすべて低床型車両となっていて電停のスロープと併用することにより段差をなくし、車いすでもそのまま車両に乗ることができるバリアフリーな交通システムであるということ。
LRTは車道の中央または路肩の部分を原則進入禁止としつつも併用軌道として通り抜け可能な状態にすることにより一般鉄道のように地域を分断することがない。
LRTは軌道部分の自動車の侵入を原則禁止にすることにより渋滞に巻き込まれることなく定時制を確保できること。
LRTは確固とした線路を走ることにより誰から見ても経路が分かりやすく、地元民以外の人にも利用してもらいやすい。
LRTは1編成あたりの輸送力は乗用車はもちろんバスと比べても段違いなため朝ラッシュ等の大量輸送に適している。
LRTは電線から電気の供給をうけて走るので自動車のように排気ガスを出すことはないため地球環境にやさしく、都市のヒートアイランド現象や光化学スモッグ等を抑制できる。
さらにLRTはパーク&ライドやトランジットモールなどと合わせることによって地域づくりにやくだつのである。
宇都宮市はJR宇都宮駅を中心として商業施設、住宅街がおよそ同心円状に連なっている典型的な地方都市だ。ここでJR宇都宮線と直角に、東西方向にLRTを伸ばす計画だ。西は東武宇都宮を抜けて陽西町まで、東は鬼怒川を超えてテクノポリスセンターまでの全線約15kmを結ぶ計画で総事業費は383億円の予定だ。なお、事業費の半分程度は国からの補助金で賄う予定らしい。
宇都宮市はこのうち宇都宮駅より東側を優先整備区画として先に建設する。理由としては宇都宮駅東西を結ぶ区間の建設に時間がかかることや西側はバス網が発達しており優先度が低いことだ予想される。
東側の優先整備区間はバス路線の整備があまり進んでいない。これは比較的近年に自動車主体の街造りがなされていたせいだと思われる。これにより東側の主要道路は絶えず渋滞に悩まされてきたわけだ。これを解決するために敷設されるのがLRTである。LRTは東側の川を渡った先の工業地域への通勤輸送を主体としている。しかしこの工業地域に向かうのは人間だけではなく工業製品も向かうのだ。これをかわすために国道3号から工業団地までの間は道路上ではなく専用軌道を走るのである。
現在、様々な勢力がこのLRT計画に反対して運動を展開している。反対運動をしている団体の意見を見てみるとまずどこも上げているのが渋滞だ。
宇都宮市東口の鬼怒通りは現在片側3車線が確保されていることからもわかる通り車通りが非常に多い。そこに車線を減らす形でLRTを通したら渋滞が発生するというのだ。
しかしこれはLRTを旧来の路面電車のイメージで語っているように思える。もしかしたら彼らにとってLRTとは低床車両が走るっていること以外は旧来の路面電車と同じと思っているのかもしれない。そこで、何故宇都宮でLRTを走らせても渋滞にならないかを見てみるとしよう。
実はLRTが併用軌道を走る区間では信号の周辺に一時的に発生するものを除くと渋滞は発生していない。下記リンク(3)によると渋滞が発生しているのは国道4号線(新道)より先だけなのです。LRTは国道4号線(新道)の手前で専用軌道になるので現行の渋滞をさらに悪化する危険性はないわけだ。
では駅前から専用軌道に入るまでの区間で渋滞が新たに発生する可能性はどうだろうか。この区間を走る車のうちバスに関しては多くはLRTに置き換わってなくなるだろう。この道を選ぶ乗用車の殆どはJR宇都宮駅の近くのマンションなどの住人だと思われる。これらの人が鬼怒川の先の工業団地に通勤するためにこの道を通るのだ。この需要はLRTが通ればほぼ確実にLRTに流れるだろう。そうなればこの区間を走る乗用車の数が減り、渋滞は発生しないわけだ。
そもそもLRTの最大の役割は渋滞緩和にある。どの程度の大きさの車両を導入するかにもよりますがおよそ100人ほどが乗れる。これはバス3台分に近い数字です。また通勤の乗用車は基本的に一人乗りなので乗用車100台分の人を一度に運べるわけだ。LRTはバスと比べて定時性が高いため路線バスよりも選ばれやすい、さらにバスと比べると路線が分かりやすいというメリットもある。
以上がLRTを導入しても十太が発生しないと思われる理由だ。もちろん交通の流れが変わるまでには時間がかかるので開業直後は渋滞も発生すると思われるが。
次に開業したところで収益はどうなのかという問題だ。
この路線の主な目的は市内東部にある清原工業団地や本田技研などへの通勤だ。現在はこれらの施設への通勤は自家用車かシャトルバスに頼っている。これらの通勤需要は工業団地の規模から見てかなり大きいと思われる。さらにテクノポリスから駅前への買い物需要なども鑑みると大赤字になることはないと思われる。宇都宮市の試算によると年間支出は7・1~9・2億円、対し 収入は車通勤者のLRT転換率次第で7・4~9・3億円となっている。この試算を見る限り収益は問題ないようだ。
Twitterや掲示板では工業団地が今後衰退するからすぐに無駄になるという意見も散見されるが、そういったことは今後は起き辛いと思われる。過去に起こった工業地帯の衰退は工場の海外移転によるものがほとんどだったが今後大規模な工場の海外移転が起こるとは考えづらいからである。逆に通勤手段の確立により更なる工業団地の拡大も視野に入れるべきだ。ここは市の誘致政策次第ではあるが周辺の土地利用を見る限りまだ発展の余地はあるように思える
最も公共交通システムなので黒字にこだわる必要はないのだが。公共交通に関するものはそれ単独で赤字だ黒字だということ自体が間違いといえる。道路や橋などは一般に収入を直接得ることは不可能だから当然赤字も赤字、大赤字である。でもなぜ無くせといわれないかといえばそれが存在することによって経済効果があり、その額が維持費用を上回るからである。LRTをはじめとする鉄道も同じことだ。鉄道は運賃収入があるのでどうしてもそれだけで赤字だ黒字だといいたくなるが、本来はその路線が存在することにより発生する経済効果を加味して考えるべきだ。
ほかに問題点として挙げられるのが乗り換え回数の増加とそれに伴う運賃の増加だ。
乗り換え回数の増加は確実に起こる。特に西側においては駅前に集中している多数のバス路線の緩和という役割を持っている以上もはや必然である。しかしこれは大いなる利益のために我慢してもらうしかない。「大きな利益のために多少の不便は我慢する」これは日本人に足りていない考え方である。成田空港闘争など例には事欠かないがこの手の大きな問題が起きたときに海外からしばしば指摘されるのがこの点である。日本人は多数の人間の幸せのために少数が我慢することを良しとしない民族だといわれる。これにより日本人は皆が平等に不幸せな状態を望む傾向がある。この考えは文化は即刻なくしたほうがいい。
運賃に関してはLRTとバス共通の運賃体系を組めば問題ない。これは運賃形態が難解になりがちという問題があるが、それはICカードでカバーできる。運賃体系は国内では距離制が一般的だがこの場合はゾーン制が適していると思われる。
この宇都宮LRTに限らず新たな公共事業を進めようとするたびに出る意見が「人口減の世の中に新しい○○は必要ない。新しい○○は必ず負債となって未来の子供たちを苦しめる。」というものだ。
これに関していえば巫山戯るなとしか言いようがない。そもそも人口減で緩慢な衰退を前提としている時点でそれを回避するという考えはないのかといいたくなる。そのうえ公共投資は無駄なものと決めつけるその態度が気に食わない。仮に人口減が避けれないものだとしても交通に関する投資は無駄にはならない。自家用車に頼らない交通網の整備は弱者にとって必要不可欠だし、人口が少ないからこそ早く、安全な交通手段が必要なのではないだろうか。
尤も一番腹立たしいのは公共事業をやらずに浮いた金の使い道を今の年金増額だとか医療保険の拡充だとかというような目先の福祉に投資することしか考えていないことなのだが。
車社会の宇都宮での導入は無理だという意見についてはそもそもの前提が間違っているとしか言いようがない。車社会からの脱却がLRTの主な役目の一つだからだ。この点に関していえば車社会であればあるほどLRTの必要性があるともいえる。
リンク集
1.
http://response.jp/article/2014/11/08/236884.html
宇都宮LRT、反対の理由は…反対派市民団体代表に聞く (Response)
2.
http://response.jp/article/2015/08/14/257887.html
ため息、やる気、戸惑い…宇都宮市と芳賀町が描く「路面電車の走る風景」 (Response)
3.
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000072348.pdf
平成24年度栃木県の主要渋滞箇所の特定結果 (国土交通省)
4.
http://www.47news.jp/photo/763290.php
LRT導入の年間支出、最大9・2億円 宇都宮市が試算 (下野新聞)
5.
http://response.jp/article/2016/01/25/268437.html
宇都宮ライトレールなど、実施計画を申請…2019年12月開業目指す (Response)
6.
LRTとはLight Rail Transitの略で、超低床車両等新しい基軸を持った次世代の路面電車システムを指す言葉でヨーロッパをはじめとして世界各地で開業が相次いでいる市内交通システムだ。日本国内でも札幌や広島などで運行されているがどれも過渡期的な不完全なもので本当の意味でLRTといえるようなものは富山ライトレールのみである。そしてその富山ライトレールも既存路線の改良によってLRT化したものだ。即ち宇都宮市は日本で初めてLRTを完全に一から作ろうとしているのだ。
LRTの利点としては以下のものが挙げられる。
LRTで運行される車両はすべて低床型車両となっていて電停のスロープと併用することにより段差をなくし、車いすでもそのまま車両に乗ることができるバリアフリーな交通システムであるということ。
LRTは車道の中央または路肩の部分を原則進入禁止としつつも併用軌道として通り抜け可能な状態にすることにより一般鉄道のように地域を分断することがない。
LRTは軌道部分の自動車の侵入を原則禁止にすることにより渋滞に巻き込まれることなく定時制を確保できること。
LRTは確固とした線路を走ることにより誰から見ても経路が分かりやすく、地元民以外の人にも利用してもらいやすい。
LRTは1編成あたりの輸送力は乗用車はもちろんバスと比べても段違いなため朝ラッシュ等の大量輸送に適している。
LRTは電線から電気の供給をうけて走るので自動車のように排気ガスを出すことはないため地球環境にやさしく、都市のヒートアイランド現象や光化学スモッグ等を抑制できる。
さらにLRTはパーク&ライドやトランジットモールなどと合わせることによって地域づくりにやくだつのである。
宇都宮市はJR宇都宮駅を中心として商業施設、住宅街がおよそ同心円状に連なっている典型的な地方都市だ。ここでJR宇都宮線と直角に、東西方向にLRTを伸ばす計画だ。西は東武宇都宮を抜けて陽西町まで、東は鬼怒川を超えてテクノポリスセンターまでの全線約15kmを結ぶ計画で総事業費は383億円の予定だ。なお、事業費の半分程度は国からの補助金で賄う予定らしい。
宇都宮市はこのうち宇都宮駅より東側を優先整備区画として先に建設する。理由としては宇都宮駅東西を結ぶ区間の建設に時間がかかることや西側はバス網が発達しており優先度が低いことだ予想される。
東側の優先整備区間はバス路線の整備があまり進んでいない。これは比較的近年に自動車主体の街造りがなされていたせいだと思われる。これにより東側の主要道路は絶えず渋滞に悩まされてきたわけだ。これを解決するために敷設されるのがLRTである。LRTは東側の川を渡った先の工業地域への通勤輸送を主体としている。しかしこの工業地域に向かうのは人間だけではなく工業製品も向かうのだ。これをかわすために国道3号から工業団地までの間は道路上ではなく専用軌道を走るのである。
現在、様々な勢力がこのLRT計画に反対して運動を展開している。反対運動をしている団体の意見を見てみるとまずどこも上げているのが渋滞だ。
宇都宮市東口の鬼怒通りは現在片側3車線が確保されていることからもわかる通り車通りが非常に多い。そこに車線を減らす形でLRTを通したら渋滞が発生するというのだ。
しかしこれはLRTを旧来の路面電車のイメージで語っているように思える。もしかしたら彼らにとってLRTとは低床車両が走るっていること以外は旧来の路面電車と同じと思っているのかもしれない。そこで、何故宇都宮でLRTを走らせても渋滞にならないかを見てみるとしよう。
実はLRTが併用軌道を走る区間では信号の周辺に一時的に発生するものを除くと渋滞は発生していない。下記リンク(3)によると渋滞が発生しているのは国道4号線(新道)より先だけなのです。LRTは国道4号線(新道)の手前で専用軌道になるので現行の渋滞をさらに悪化する危険性はないわけだ。
では駅前から専用軌道に入るまでの区間で渋滞が新たに発生する可能性はどうだろうか。この区間を走る車のうちバスに関しては多くはLRTに置き換わってなくなるだろう。この道を選ぶ乗用車の殆どはJR宇都宮駅の近くのマンションなどの住人だと思われる。これらの人が鬼怒川の先の工業団地に通勤するためにこの道を通るのだ。この需要はLRTが通ればほぼ確実にLRTに流れるだろう。そうなればこの区間を走る乗用車の数が減り、渋滞は発生しないわけだ。
そもそもLRTの最大の役割は渋滞緩和にある。どの程度の大きさの車両を導入するかにもよりますがおよそ100人ほどが乗れる。これはバス3台分に近い数字です。また通勤の乗用車は基本的に一人乗りなので乗用車100台分の人を一度に運べるわけだ。LRTはバスと比べて定時性が高いため路線バスよりも選ばれやすい、さらにバスと比べると路線が分かりやすいというメリットもある。
以上がLRTを導入しても十太が発生しないと思われる理由だ。もちろん交通の流れが変わるまでには時間がかかるので開業直後は渋滞も発生すると思われるが。
次に開業したところで収益はどうなのかという問題だ。
この路線の主な目的は市内東部にある清原工業団地や本田技研などへの通勤だ。現在はこれらの施設への通勤は自家用車かシャトルバスに頼っている。これらの通勤需要は工業団地の規模から見てかなり大きいと思われる。さらにテクノポリスから駅前への買い物需要なども鑑みると大赤字になることはないと思われる。宇都宮市の試算によると年間支出は7・1~9・2億円、対し 収入は車通勤者のLRT転換率次第で7・4~9・3億円となっている。この試算を見る限り収益は問題ないようだ。
Twitterや掲示板では工業団地が今後衰退するからすぐに無駄になるという意見も散見されるが、そういったことは今後は起き辛いと思われる。過去に起こった工業地帯の衰退は工場の海外移転によるものがほとんどだったが今後大規模な工場の海外移転が起こるとは考えづらいからである。逆に通勤手段の確立により更なる工業団地の拡大も視野に入れるべきだ。ここは市の誘致政策次第ではあるが周辺の土地利用を見る限りまだ発展の余地はあるように思える
最も公共交通システムなので黒字にこだわる必要はないのだが。公共交通に関するものはそれ単独で赤字だ黒字だということ自体が間違いといえる。道路や橋などは一般に収入を直接得ることは不可能だから当然赤字も赤字、大赤字である。でもなぜ無くせといわれないかといえばそれが存在することによって経済効果があり、その額が維持費用を上回るからである。LRTをはじめとする鉄道も同じことだ。鉄道は運賃収入があるのでどうしてもそれだけで赤字だ黒字だといいたくなるが、本来はその路線が存在することにより発生する経済効果を加味して考えるべきだ。
ほかに問題点として挙げられるのが乗り換え回数の増加とそれに伴う運賃の増加だ。
乗り換え回数の増加は確実に起こる。特に西側においては駅前に集中している多数のバス路線の緩和という役割を持っている以上もはや必然である。しかしこれは大いなる利益のために我慢してもらうしかない。「大きな利益のために多少の不便は我慢する」これは日本人に足りていない考え方である。成田空港闘争など例には事欠かないがこの手の大きな問題が起きたときに海外からしばしば指摘されるのがこの点である。日本人は多数の人間の幸せのために少数が我慢することを良しとしない民族だといわれる。これにより日本人は皆が平等に不幸せな状態を望む傾向がある。この考えは文化は即刻なくしたほうがいい。
運賃に関してはLRTとバス共通の運賃体系を組めば問題ない。これは運賃形態が難解になりがちという問題があるが、それはICカードでカバーできる。運賃体系は国内では距離制が一般的だがこの場合はゾーン制が適していると思われる。
この宇都宮LRTに限らず新たな公共事業を進めようとするたびに出る意見が「人口減の世の中に新しい○○は必要ない。新しい○○は必ず負債となって未来の子供たちを苦しめる。」というものだ。
これに関していえば巫山戯るなとしか言いようがない。そもそも人口減で緩慢な衰退を前提としている時点でそれを回避するという考えはないのかといいたくなる。そのうえ公共投資は無駄なものと決めつけるその態度が気に食わない。仮に人口減が避けれないものだとしても交通に関する投資は無駄にはならない。自家用車に頼らない交通網の整備は弱者にとって必要不可欠だし、人口が少ないからこそ早く、安全な交通手段が必要なのではないだろうか。
尤も一番腹立たしいのは公共事業をやらずに浮いた金の使い道を今の年金増額だとか医療保険の拡充だとかというような目先の福祉に投資することしか考えていないことなのだが。
車社会の宇都宮での導入は無理だという意見についてはそもそもの前提が間違っているとしか言いようがない。車社会からの脱却がLRTの主な役目の一つだからだ。この点に関していえば車社会であればあるほどLRTの必要性があるともいえる。
リンク集
1.
http://response.jp/article/2014/11/08/236884.html
宇都宮LRT、反対の理由は…反対派市民団体代表に聞く (Response)
2.
http://response.jp/article/2015/08/14/257887.html
ため息、やる気、戸惑い…宇都宮市と芳賀町が描く「路面電車の走る風景」 (Response)
3.
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000072348.pdf
平成24年度栃木県の主要渋滞箇所の特定結果 (国土交通省)
4.
http://www.47news.jp/photo/763290.php
LRT導入の年間支出、最大9・2億円 宇都宮市が試算 (下野新聞)
5.
http://response.jp/article/2016/01/25/268437.html
宇都宮ライトレールなど、実施計画を申請…2019年12月開業目指す (Response)
6.
2016年1月1日金曜日
ループ化された札幌市電
12月20日、ついに札幌市電の西4丁目ーすすきの間が開通して長年の市民の夢がかなえられた。
延伸区間は僅か400mほど、短い距離だがこれによって札幌市電は環状線になった。はたしてどういた効果があるのか?どういった問題が発生しているのか?
私は早速12月28日に札幌に赴いた。
札幌市電の既存区間をはじめとする全国の路面電車の殆どは道路の中央分離帯の部分に線路が敷設されている。しかし延伸区間は路肩の部分、歩道に接する形でせんろが敷設されている。この方式をサイドリザベーションと呼ぶ。特に札幌市電のように道路の両サイドに単線づつ線路を敷設することをダブルサイドリザベーションと呼ぶ。
一般的な中央分離帯部分に線路を敷設するセンターリザベーション方式の問題点は停留所がも道路の中央にあるため、利用する時に道路の横断をしないといけないことだ。サイドリザベーション方式の一番の利点は歩道から直接電車に乗れるため道路を横断する必要がないことだ。しかし、その反面路肩に車を寄せることができないためタクシーの乗り降り、荷物の積み下ろし、バス停の設置などに支障がでる。
さて、ここからは写真とともに現地レポートの形で見ていくとしよう。この時札幌は雪が降っていたため雪が映り込んで見づらい写真があるがご容赦願いたい
まず私が降り立ったのはすすきの電停。

すすきの電停は今回の延伸開業に合わせて位置が若干移動し、新しくきれいな駅舎(?)が作られた。
またこの駅には折り返し用の引き上げ線が外回り線と内回り線の間にせっちされている。
かつてこの駅が終点だったころは折り返すのに時間がかかっていたために駅の手前で電車が渋滞しているのがよく見られたが今後はそういったことが起きる心配はなさそうだ。

駅の資生館小学校方面にある引き上げ線。雪で埋まっているためわかりづらいが手前の緑色の柱が車止めなのでそこから位置がわかる。
すすきの電停を出てすぐのところの交差点。じつはここの交差点がダイヤ上の最大のネックになっている。

左がすすきの電停、奥が狸小路電停。赤い服の人は市電の係員で、開業後すぐなので混乱なきように交通整理をしていた。
内回り線はいいのだが外回り線は場合によってはかなり長時間の信号待ちを強いられる。新規開業区間の札幌駅前通りも既存路線区間の月寒通も交通量がかなり多いため両方が赤になるタイミングでしか走れない市電は長時間泊まっている必要があるのだ。実際わたしが見ていた時も3分ほど信号待ちしていた。
さて、ささきの電停から札幌駅前通りを狸小路電停方面に向かう。

新規開業区間には電熱線が埋め込まれているらしく線路だけ雪がない。歩道のすぐわきを走るので雪が降ったときにはまさかササラ電車で雪を歩道に吹き飛ばすわけにいかないだろうしどうするのかと思っていたがこれなら問題なさそう。

電熱線のおかげで雪がないため自慢のササラを回さずに通過するササラ電車:雪3。
少し歩くと狸小路電停に到着。すすきの電停と西4丁目電停のちょうど中間に新たに設置された狸小路電停はすすきのからわずか2ブロックしか離れていない。信号待ちなどのことを考えると歩いた方が早いくらいだ。

内回り線狸小路電停と新型低床車両ポラリス。新時代の札幌市電を象徴するツーショットだ。
狸小路電停はその名の通り札幌有数の繁華街である狸小路にある。上記のとおり札幌市電初の歩道から直接乗れるタイプの電停だ」。車道上にある他の電停と違ってスペースに余裕があるためあゆったりとした作りになっている。今回新たに設置された狸小路と移転した西4丁目、すすきのの3駅はホームへの段差がなくスロープになっておりバリアフリー化が進んでいる。

札幌市電で一番新しい駅と旧型の営業電車。新旧の邂逅である。
ここからあるくこと数分。西4丁目電停に到着。

西4丁目電停(内回り線)
西4丁目電停は外回り線と内回り戦で電停の位置が大きく異なる。
内回り線は写真のように新規開業区間の歩道沿いに新たに設置されたのに対し、外回り線は従来の中央分離帯の位置に取り残されるような形で設置されている。

西4丁目電停(外回り線)
ここでは外回り線と内回り線で位置が異なってわかりづらいためか駅名を描いた札を持った係員が案内をしていた。

西4丁目電停の交差点ですれちがう内回り線の市電(A1200型)と外回りの市電(3300型)。外回りの電車はかなり大回りしていることがよくわかる。
一通り歩いてみてみて。市電の電停に行くのに道を渡る必要がないのはやはり市民にとってかなり助かることだと思う。しかし路肩に車を寄せられないという欠点はかなり大きそうだ。このあたりは繁華街で店舗が多く、荷物の積み下ろしなども多いだろうに。また繁華街なら夜はタクシーを利用する人も多いだろう。しかしタクシーも歩道につけることができないのである。
個人的に一番気になるのは自転車だ。冬のこの時期の札幌で自転車に乗る人は皆無なので問題はないが暖かくなって自転車を利用する人が増えると自転車はどこを走るかの問題が出てくるだろう。本来自転車は路肩を走るべきだがここでは市電が走っているため路肩に入るわけにいかない。かといって線路と車道の隙間を走るのも難しそうだ。かといって歩道もそんなに広いわけではない。自転車をいかに安全に通行させるかが今後の課題となるだろう。
延伸区間は僅か400mほど、短い距離だがこれによって札幌市電は環状線になった。はたしてどういた効果があるのか?どういった問題が発生しているのか?
私は早速12月28日に札幌に赴いた。
札幌市電の既存区間をはじめとする全国の路面電車の殆どは道路の中央分離帯の部分に線路が敷設されている。しかし延伸区間は路肩の部分、歩道に接する形でせんろが敷設されている。この方式をサイドリザベーションと呼ぶ。特に札幌市電のように道路の両サイドに単線づつ線路を敷設することをダブルサイドリザベーションと呼ぶ。
一般的な中央分離帯部分に線路を敷設するセンターリザベーション方式の問題点は停留所がも道路の中央にあるため、利用する時に道路の横断をしないといけないことだ。サイドリザベーション方式の一番の利点は歩道から直接電車に乗れるため道路を横断する必要がないことだ。しかし、その反面路肩に車を寄せることができないためタクシーの乗り降り、荷物の積み下ろし、バス停の設置などに支障がでる。
さて、ここからは写真とともに現地レポートの形で見ていくとしよう。この時札幌は雪が降っていたため雪が映り込んで見づらい写真があるがご容赦願いたい
まず私が降り立ったのはすすきの電停。
すすきの電停は今回の延伸開業に合わせて位置が若干移動し、新しくきれいな駅舎(?)が作られた。
またこの駅には折り返し用の引き上げ線が外回り線と内回り線の間にせっちされている。
かつてこの駅が終点だったころは折り返すのに時間がかかっていたために駅の手前で電車が渋滞しているのがよく見られたが今後はそういったことが起きる心配はなさそうだ。
駅の資生館小学校方面にある引き上げ線。雪で埋まっているためわかりづらいが手前の緑色の柱が車止めなのでそこから位置がわかる。
すすきの電停を出てすぐのところの交差点。じつはここの交差点がダイヤ上の最大のネックになっている。
左がすすきの電停、奥が狸小路電停。赤い服の人は市電の係員で、開業後すぐなので混乱なきように交通整理をしていた。
内回り線はいいのだが外回り線は場合によってはかなり長時間の信号待ちを強いられる。新規開業区間の札幌駅前通りも既存路線区間の月寒通も交通量がかなり多いため両方が赤になるタイミングでしか走れない市電は長時間泊まっている必要があるのだ。実際わたしが見ていた時も3分ほど信号待ちしていた。
さて、ささきの電停から札幌駅前通りを狸小路電停方面に向かう。
新規開業区間には電熱線が埋め込まれているらしく線路だけ雪がない。歩道のすぐわきを走るので雪が降ったときにはまさかササラ電車で雪を歩道に吹き飛ばすわけにいかないだろうしどうするのかと思っていたがこれなら問題なさそう。
電熱線のおかげで雪がないため自慢のササラを回さずに通過するササラ電車:雪3。
少し歩くと狸小路電停に到着。すすきの電停と西4丁目電停のちょうど中間に新たに設置された狸小路電停はすすきのからわずか2ブロックしか離れていない。信号待ちなどのことを考えると歩いた方が早いくらいだ。
内回り線狸小路電停と新型低床車両ポラリス。新時代の札幌市電を象徴するツーショットだ。
狸小路電停はその名の通り札幌有数の繁華街である狸小路にある。上記のとおり札幌市電初の歩道から直接乗れるタイプの電停だ」。車道上にある他の電停と違ってスペースに余裕があるためあゆったりとした作りになっている。今回新たに設置された狸小路と移転した西4丁目、すすきのの3駅はホームへの段差がなくスロープになっておりバリアフリー化が進んでいる。
札幌市電で一番新しい駅と旧型の営業電車。新旧の邂逅である。
ここからあるくこと数分。西4丁目電停に到着。
西4丁目電停(内回り線)
西4丁目電停は外回り線と内回り戦で電停の位置が大きく異なる。
内回り線は写真のように新規開業区間の歩道沿いに新たに設置されたのに対し、外回り線は従来の中央分離帯の位置に取り残されるような形で設置されている。
西4丁目電停(外回り線)
ここでは外回り線と内回り線で位置が異なってわかりづらいためか駅名を描いた札を持った係員が案内をしていた。
西4丁目電停の交差点ですれちがう内回り線の市電(A1200型)と外回りの市電(3300型)。外回りの電車はかなり大回りしていることがよくわかる。
一通り歩いてみてみて。市電の電停に行くのに道を渡る必要がないのはやはり市民にとってかなり助かることだと思う。しかし路肩に車を寄せられないという欠点はかなり大きそうだ。このあたりは繁華街で店舗が多く、荷物の積み下ろしなども多いだろうに。また繁華街なら夜はタクシーを利用する人も多いだろう。しかしタクシーも歩道につけることができないのである。
個人的に一番気になるのは自転車だ。冬のこの時期の札幌で自転車に乗る人は皆無なので問題はないが暖かくなって自転車を利用する人が増えると自転車はどこを走るかの問題が出てくるだろう。本来自転車は路肩を走るべきだがここでは市電が走っているため路肩に入るわけにいかない。かといって線路と車道の隙間を走るのも難しそうだ。かといって歩道もそんなに広いわけではない。自転車をいかに安全に通行させるかが今後の課題となるだろう。
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